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不動産物件を売れやすくする「ホームステージング」って何?

リノベーションマンションやリフォーム済み中古住宅などが注目されるようになったことで、近年、需要が高まっているのが「ホームステージング」です。ホームステージングとは、空室状態で売り出される物件に、家具や小物などで内装を魅力的に演出し、その物件をバリューアップさせるサービスのことです。ホームステージングのもたらす効果や、実際に行うときのコツについてご紹介します。

 

<売れやすい物件をつくる「ホームステージング」とは?>
ホームステージングは、1970年代に米国で生まれた不動産売却システムで、中古物件の取引が盛んな欧米で一般的となりました。その後ヨーロッパやオーストラリアなどでも浸透し、最近では日本でも広まりつつあります。

中古物件の内覧時に空室の状態では部屋の中が殺風景で冷たい印象を与えてしまいます。一方、居住中の場合は居住者の生活感が出てしまうため、マイナスな印象を与えてしまいがちです。ホームステージングなら、その物件の魅力を最大限に引き出すコーディネートを行うことによって、モデルルームのように購入者にとって効果的な演出が可能になります。

買い手側にとっては入居後の暮らしがイメージしやすくなり、物件の魅力をより感じることができます。また、物件を演出し価値を引き出すことで必要以上の値引き交渉を抑え、売却期間も短縮できるので、売り手側にとってもメリットの大きい手法です。

 

<プロ目線でアドバイス!ホームステージャーの役割>
ホームステージングのトータルコーディネートを行う専門家を「ホームステージャー」といいます。ホームステージングのプロ、”ホームステージャー”の役割とは何でしょうか。

●ホームステージャーの仕事
ホームステージャーは、対象物件の片付けや掃除、家具・家財の管理や調達、インテリアの演出、家具の搬入出など、ホームステージングに関わる事柄を幅広くこなすことが求められます。同じインテリアの専門家である「インテリアコーディネーター」は、そこに住む人にとって快適な住空間をつくるためにアドバイスをするのに対して、ホームステージャーは対象物件の価値を高め、スムーズに販売するための総合的なコーディネートを行うのが役割です。

●ホームステージャーの資格とは?
そもそも、ホームステージングとは1970年代にアメリカで始まった不動産売却の手法で欧米では当たり前の演出方法です。日本の住まいに適したホームステージャーを育成するため、日本ホームステージング協会が各地で資格取得のための講座を開催しています。ホームステージャーの資格には2級と1級があり、2級はホームステージングや片付け、インテリアの基礎について学ぶ内容で、1日の受講で資格取得ができる入門資格です。1級は、2級の合格者のみが講座を受けることができる上級資格で、日本独自のホームステージングを普及させるため、ホームステージングのプロ育成を目的としています。

 

<物件の魅力をアップさせるホームステージング>
内覧時の第一印象は、買い手の判断に大きな影響を与えます。良い印象を与えられるホームステージングのコツについて見ていきましょう。

●実際の暮らしを魅力的にイメージさせる
購入後の生活がイメージしやすくなるよう、間取りに合わせたインテリアコーディネートを行います。ハイセンスな高級品を並べるのではなく、物件のグレードに合わせた家具や小物を選び配置するのが、明るさやおしゃれな雰囲気を演出するポイントです。室内にソファがあり、そこに腰掛けて眺める視線の先に絵画や観葉植物などが置いてあれば、全く印象は変わってきます。そうすることで、何もない空間を歩いて内覧するよりも、その物件に入居したときの自分の生活を想像しやすくなり、より魅力的に感じることができるでしょう。

●居住中の物件でもホームステージングは可能
居住中の物件の場合、一度荷物を運び出してスペースをつくり、統一感のある小物などを飾ることで購入ターゲット層に好まれるような空間をつくりましょう。居住中の物件で大きな家具を搬入出させることは難しいですが、運び出した荷物を倉庫で一時保管すれば、空いたスペースをプロの手によってデコレーションすることができます。

どちらの場合でも、購入者目線に立った効果的な演出をホームステージャーが行うことで、物件の価値が高まり、売却交渉がスムーズに進みやすくなるでしょう。

 

<売り手にも買い手にも嬉しい「ホームステージング」>
ホームステージングはモデルルームのように部屋をコーディネートするだけではなく、購入ターゲット層に魅力を強くアピールしたりさまざまな効果が期待できます。ホームステージャーに依頼すれば、物件売却のための効果的なアドバイスを受けることもできます。「どうしたら良い条件で売れるのか」「早く買い手を見つけたい」などとお悩みの方は、一度ホームステージャーに相談してみてはいかがでしょうか。