
世界の有名客船が寄港!国際貿易港として日本を代表する「横浜港」
日本を代表する港町、横浜。横浜港には、貨物船だけでなく世界各国からたくさんのクルーズ船が寄港しています。では、なぜ横浜港には世界中から船が集まるようになったのでしょうか?今回は、横浜港が大きく発展した経緯と、横浜港に寄港する豪華客船の魅力について紹介します。
<ペリー来航で開かれた横浜港!>
江戸時代末期の1858年、日米修好通商条約により開港されたのが横浜港です。1888年には現在の主要客船ターミナルの原型になっている大さん橋を造成。1923年に起きた関東大震災で被害を受けましたが、復興事業が進み、山下公園など現在の横浜を代表する観光施設が造られました。その後、1964年の東京オリンピックに合わせて、「大さん橋国際客船ターミナル」がオープンしました。
1967年頃から、外国貨物を輸送する際にコンテナと呼ばれる鉄製の大きな箱が使用されるようになりました。それまで荷物は個々に梱包(こんぽう)され船に積まれていましたが、コンテナの普及により一度に大量の荷物を同時に積むことが可能になりました。コンテナは、安全性や費用・労力面においてプラスの要素を多くもたらしました。その影響で、主にコンテナを専用に運ぶ船が増え(コンテナ船)、船の大型化も加速。横浜港もコンテナ船用の港湾施設を建設し、コンテナターミナルを備える工業港に成長しました。そして現在では、東京を中心に首都圏を支える商業港として大きな存在感を放っています。
<横浜港に入港する豪華客船って?>
貨物船の入出港によって発展してきた横浜港ですが、現在では他の目的で寄港する船もたくさんあります。そのうちの一つが人気のクルーズ船です。実際に横浜港にはどのようなクルーズ船が出入りしているのでしょうか?2016年に入港予定の客船についてご紹介します。
●飛鳥Ⅱ
横浜港を船籍とする初の客船です。初代の「飛鳥」から、2016年10月に就航25周年を迎えます。「洋上のオアシス」と称される飛鳥Ⅱは、目的地までの単なる移動手段ではなく、乗船経験そのものが目的になる客船として、多くのファンの心を掴んでいます。船内には本格料理が楽しめるレストランをはじめ、スパやシアターなどを完備。まるでリゾート地を訪れているかのようなひとときを楽しめます。約100日をかけて世界一周クルーズができるグランドクルーズは、一生に一度は参加したい船旅として注目を集めています。船旅なので目的地ごとにホテルを変える必要がなく、ゆったりと移動できる上、医師も乗船しているので、健康面でも安心です。そして何より、船上での新たな出会いがこの旅の大きな魅力となっています。
●クァンタム・オブ・ザ・シーズ
日本に寄港する客船として最大で、ロッククライミングやスカイダイビング体験ができる最先端施設が満載です。海上約90mから絶景を見渡せる宝石型展望カプセルや、屋内にあるエンターテインメント施設など、斬新なアイデアが詰まっています。年齢を問わず楽しめること間違いなしです。
●ダイヤモンド・プリンセス
日本で建造された客船として最大であり、落ち着いた雰囲気が魅力です。5箇所のメイン・ダイニングなど多彩な設備・施設がそろっています。全客室にハンドシャワー、ジュニア・スイート以上にトイレのウォシュレットが完備されており、快適に過ごすことができます。さらに、海に廃棄物を一切出さない処理装置も備えており、地球環境に優しい船としても期待されています。
●クイーン・エリザベス
世界で最も有名な豪華客船の名前を継承した、3代目クイーン・エリザベスです。2010年の処女航海時には29分14秒で完売という驚異的な記録を残しました。広々とした豪華な船内には、図書館・カジノ・ショッピングアーケードまで完備されています。ロビーには、船名にもなっているエリザベス女王の肖像画が飾られており、先代の歴史を受け継いでいます。
<クルーズ船に乗ってみよう!>
昔は、高価すぎて手が出ないイメージのあった豪華客船やクルーズの旅。しかし、最近では低価格のプランが登場しており、庶民でも手の届く船旅がたくさんあります。これまで限られた人だけしか手にすることができなかった「非日常的な空間」を、手頃な価格で楽しむことができる――それが、クルーズ船が人気になっている理由のひとつです。
目的地ごとにホテルが変わったり、公共交通機関の移動がないこともクルーズ船の魅力です。そのため時間に追われたり、道に迷ったりせずにゆったり過ごせます。目的や雰囲気に合わせて、「カジュアル船」「プレミアム船」「ラグジュアリー船」から船のタイプを選ぶことも可能です。
1.カジュアル船
ドレスコードなどの堅苦しい決まり事がなく、楽しくにぎやかな船旅を求める方にオススメです。ファミリーや友人同士の参加が多いのが特徴。大型船が多く使用されているため、プールやレストラン、バーでのイベントやアクティビティが充実しています。
2.プレミアム船
カジュアル船と比較すると、落ち着いた雰囲気が楽しめます。中型船以上の使用が多いため、レストランやスパなどの施設も充実しています。こちらはカジュアル船と違って、食事やイベントでのドレスコードが決まっているので、ワンランク上の洗練された空間を楽しみたいという方にオススメです。
3.ラグジュアリー船
プレミアム船よりもさらにフォーマルで優雅なひとときを楽しめるラグジュアリー船。小・中型船で運行されることが多く、乗客数がおよそ900人と少ないことで、きめ細やかなサービスが受けられます。船の小ささを活かして、インドの“秘密の島”と呼ばれる「エレファンタ島」など、珍しい島へ寄港するクルーズもあり、特別な旅の思い出が刻めます。
<世界と日本をつなぐ横浜港 >
時代とともに姿を変え、大きな功績を残してきた横浜港。関東大震災の被害を受けながらも、復興事業を通して発展し、今では人気の観光地として有名になりました。
商業港・工業港としてのイメージが強いですが、クルーズ船もたくさん訪れています。横浜港に寄港するクルーズ船の中には、近年、カジュアル船など、堅苦しさがなく日常の延長線上で楽しめる船旅も増えています。目的地へ行くまでの単なる移動手段と捉えるのではなく、乗船そのものが大きな思い出となる船旅。そんなクルーズ船ならではの魅力を、あなたもぜひ、横浜港から体験してみてはいかがですか?