
元町・山手のオススメ西洋館7選!クラシックな異国情緒を体感
国際色豊かな横浜の中でも、特に異国情緒溢れるエリアが横浜山手です。そこに建つ7つの西洋館は、横浜開港当時の面影を残す風景の一つとなっています。世界的にも有名な建築家が趣向を凝らした建物を見ながら、この地ならではの歴史の流れを感じつつ、元町山手エリアの魅力を体感してみましょう。
<山手イタリア山庭園のオシャレな西洋館>
「山手イタリア山庭園」は、イタリアの庭園を模した水路や花壇が幾何学式に配された公園で、1880年から1886年までこの地にイタリア領事館があったことから、「イタリア山」と呼ばれています。
●外交官の家(旧内田家住宅)
アメリカン・ビクトリア様式で建てられた外交官の家は、1910年に外交官であった内田定槌氏の私邸として渋谷区南平台に建てられ、1997年に山手イタリア山庭園に移築復元のうえ、一般公開されました。同年、国の重要文化財に指定されています。木造二階建ての天然スレート葺屋根、壁は下見張りで華やかな装飾が特徴的な建物は、アメリカ人建築家のJ・M・ガーディナーの設計によるものです。室内は外の光を受けて美しく輝くステンドグラスやロココリバイバルの家具、ガスストーブなどが再現され、当時の外交官の暮らしに関する資料が展示されています。また、付属棟には喫茶コーナーが設けられています。
住所 神奈川県横浜市中区山手町16
アクセス JR京浜東北・根岸線「石川町」駅徒歩5分
お問い合わせ番号 045-662-8819
開館時間 9:30~17:00(7・8月は18:00まで延長) 喫茶利用時間 10:00~16:00
休館日 第4水曜日(祝日は開館し翌日休)、年末年始(12/29~1/3)
●ブラフ18番館
大正末期の関東大震災後に建てられた外国人住宅です。戦後、1991年までカトリック山手教会の司祭館として使用されてきました。木造二階建てのフランス瓦屋根や白い外壁、暖炉の煙突など、外国人住宅の特徴が数多く残っています。室内の家具は「横浜家具」と呼ばれる横浜で作られた木製の西欧風の家具で、震災復興期の居留地での外国人の暮らしが再現されています。1993年に山手イタリア山庭園に移築復元され、一般公開されました。
住所 神奈川県横浜市中区山手町16
アクセス JR京浜東北・根岸線「石川町」駅徒歩5分
お問い合わせ番号 045-662-6318
開館時間 9:30~17:00(7・8月は18:00まで延長)
休館日 第2水曜日(祝日は開館し翌日休)、年末年始(12/29~1/3)
<カフェやレストランもオススメ!元町公園周辺の西洋館>
「元町公園」は山手本通りに面しており、木漏れ日を浴びながら木々の間を巡ることができる散策路をはじめ、春には桜の名所としても知られています。周辺には外国人墓地や西洋館などがあり、ゆっくりランチができるおしゃれなカフェや老舗料理店も建ち並んでいて、多様な楽しみ方ができます。
●ベーリック・ホール
ベーリック・ホールは、戦前の山手外国人住宅の中で現存する最大規模の建物です。イギリス人の貿易家B・R・ベリックの私邸として1930年に建てられ、戦後は2000年までインターナショナルスクールの寄宿舎として使用されていました。設計はアメリカ人建築家のJ・H・モーガンで、山手地区の数々の洋館を手がけています。クリームベージュの外壁やオレンジ色の瓦屋根などスパニッシュ様式を基調としつつ、三連アーチの玄関やイスラム様式の流れを汲む四葉の小窓など多彩な装飾が特徴です。
住所 神奈川県横浜市中区山手町72
アクセス 横浜高速鉄道みなとみらい線「元町中華街」駅徒歩10分
お問い合わせ番号 045-663-5685
開館時間 9:30~17:00(7・8月は18:00まで延長)
休館日 第2水曜日(祝日は開館し翌日休)、年末年始(12/29~1/3)
●エリスマン邸
1926年にスイス人貿易商人フリッツ・エリスマンの私邸として、山手町127番地に建てられました。「現代建築の父」とも呼ばれるアントニン・レーモンドの設計で、建設当時は1階外壁が竪羽目板張り、2階外壁が下目板張りで木造2階建ての白亜の洋館でした。1982年に一度解体されましたが、1990年に元町公園内に再現されました。また、館内の家具なども過去にA・レーモンドが設計した調度品を復元したものです。A・レーモンドの得意とする簡素で爽やかなイメージのエリスマン邸は、横浜に残る他の洋館とは少し違った雰囲気を醸し出しています。また地下のホールは貸し出しスペース、昔の厨房部分は喫茶コーナーとして利用することができます。
住所 神奈川県横浜市中区元町1-77-4
アクセス 横浜高速鉄道みなとみらい線「元町中華街」駅徒歩10分
お問い合わせ 045-211-1101
開館時間9:30~17:00(7・8月は18:00まで延長)
休館日 第2水曜日(祝日は開館し翌日休)、年末年始(12/29~1/3)
●山手234番館
山手234番館は外国人向けの共同住宅で、関東大震災の復興事業の一つとして1927年頃に建てられました。戦後米軍によって接収されていましたが、1980年頃まではアパートメントとして使用され、その後1998年に歴史的景観の保全のために横浜市が取得し、改修・整備されました。外観は震災後の洋風住宅でよく見られる、鎧戸に上げ下げ窓、煙突の付いた仕様で、建設当時は、中央の玄関ポーチを挟んで両脇にそれぞれ2戸、合計4戸の共同住宅がありました。今では共同住宅としての佇まいはなくなっていますが、1999年の一般公開から1階に当時のリビングルームが再現されています。
住所 神奈川県横浜市中区山手町234-1
アクセス 横浜高速鉄道みなとみらい線「元町中華街」駅徒歩10分
お問い合わせ番号 045-625-9393
開館時間 9:30~17:00(7・8月は18:00まで延長)
休館日 第4水曜日(祝日は開館し翌日休)、年末年始(12/29~1/3)
<港の見える丘公園の自然に囲まれた西洋館>
横浜港を見下ろす高台にある「港の見える丘公園」はバラの名所として有名で、イングリッシュローズを中心に年間を通してさまざまな草花が楽しめます。横浜開港時、かつてのイギリスとフランスの軍隊が駐屯した場所として、現在も異国情緒溢れる横浜の人気観光スポットです。
●横浜市イギリス館
1937年にイギリス総領事公邸として、上海の大英工部総署の設計で建設されました。建設当時、広い敷地と大きな建物は東アジアの領事公邸の中でも、上位に格付けられていました。英国都市建築を象徴するコロニアルスタイルとして知られ、重厚で伝統を感じさせる佇まいの中で品位ある抑えた装飾がイギリスの美意識を感じさせます。1990年に横浜市指定文化財に指定され、玄関横の王冠がはめ込まれた銘版や正面横の銅板が旧英国総領事公邸の歴史を現在に伝えています。
住所 神奈川県横浜市中区山手町115-3
アクセス 横浜高速鉄道みなとみらい線「元町中華街」駅徒歩7分
お問い合わせ番号 045-623-7812
開館時間 9:00~17:00(7・8月は18:00まで延長)
休館日 第4水曜日(祝日は開館し翌日休)、年末年始(12/29~1/3)
●山手111番館
ベーリック・ホールと同じアメリカ人建築家J・H・モーガンの設計で、1926年にJ・E・ラフィン氏の住宅として建てられました。ベーリック・ホール同様、玄関に三連アーチが施され、クリームベージュの外壁やオレンジ色の瓦屋根を取り入れたスパニッシュ様式となっています。ローズガーデンを見下ろす建物は、芝生を抜ける直線のアプローチやその先の玄関ポーチ、パーゴラなどが見事に調和して爽やかな南国を感じることができます。
住所 神奈川県横浜市中区山手町111
アクセス 横浜高速鉄道みなとみらい線「元町中華街」駅徒歩7分
お問い合わせ番号 045-623-2957
開館時間 9:30~17:00(7・8月は18:00まで延長)
休館日 第2水曜日(祝日は開館し翌日休)、年末年始(12/29~1/3)
<横浜・山手の洋館散策の魅力>
山手に建つ西洋館は当時在日していた外国人のために、祖国の文化や様式を反映して建設されたものです。しかし、部分的に日本の気候風土や文化を意識して建てられており、横浜にしかない独特の雰囲気が横浜・西洋館の魅力の一つといえるでしょう。横浜の歴史を感じながら、異国情緒あふれる山手散策で新たな魅力を発見してみましょう。