img_2166

不動産登記は難しくない!手続きをスムーズに進める基礎知識をわかりやすく解説!

土地・建物などの不動産を取得したときに、売り主にお金を払っただけでは、自分のものになったとはいえません。法務局(登記所)で登記して初めて、自分の権利を第三者に対して主張することができます。では、どんな手続きをすれば不動産登記をすることができるのでしょうか。今回は不動産登記についての基礎知識をわかりやすく解説します。

 

<不動産登記の基本>
不動産登記とは、法務局が管理する「不動産登記簿」に新しい所有者の情報を記録することです。なぜ不動産を取得すると登記が必要なのでしょうか。登記の基本と不動産登記をするための方法について見ておきましょう。

まず土地や建物などを購入したら、すぐに自分の名義に登記しましょう。全国を地域ごとに管轄しているのは法務局ですが、登記を行う場合はその出先機関である支局や出張所で行います。この支局や出張所は、一般的に登記所と呼ばれています。ここで登記を行うことで、初めて自分の契約した不動産の所有権を法的に確保でき、第三者に対して権利を主張できるようになります。なお、1ヶ月以内に登録をすることが規定されています。

不動産取得後に登記を行っていないと、どんなことが起こるのでしょうか。例えば、売買契約を結んで売り主に代金も支払っているのに、より有利な条件で買いたいと後から現れた人と売り主が契約を結んでしまったとします。その場合、後から契約した人が先に不動産登記を行ってしまったら、所有権などの権利は登記を行った人に移ってしまいます。先に契約を結んだというだけでは、自分の権利を第三者へ主張するには根拠が不十分です。そうならないために、取得後はできるだけ早く不動産登記をしましょう。

不動産登記は原則「本人申請」とされていますが、法律的な専門知識がない方にとって簡単な手続きではありません。また、住宅ローン関連の登記は、個人での申請が認められない場合もあります。そのため、通常は販売する不動産会社や仲介会社などが勧める司法書士や土地家屋調査士などに登記を依頼します。自分で行うよりも安全で確実ですが、司法書士などに報酬を支払う必要があります。日本司法書士会連合会がまとめた報酬額の平均は、売買にともなう所有権移転登記で4万円強、住宅ローンを利用する場合の抵当権設定登記で3万円強ほどです。

 

<不動産登記の内容とは?>
不動産の登記は土地と建物に分けて行われ、土地・建物ごとに、「表題部」と「権利部」に分かれています。

●表題部
表題部には、その物件の所在地や地目(ちもく)、地積(土地の面積)、床面積など登記する不動産の具体的な情報が記載されます。地目は土地の利用状況のことを指し、畑・田・山林などがありますが、住宅であれば通常は「宅地」です。

●権利部
権利部は、「甲区」と「乙区」に分かれています。甲区には不動産の所有者情報が記載されており、登記された不動産の権利を有するのは誰か、どこから、いくらお金を借りてその不動産を取得したのかといった費用面など、不動産の所有にかかる内訳も記載されています。
一方、乙区は、抵当権など所有権以外の権利に関する内容です。抵当権とは、住宅ローンなどお金を借りる際、保証として不動産にかける担保権のことです。もし、返済できなかった場合は、抵当権を持つ人が、家を競売にかけて貸したお金を回収することができます。

不動産を取得してから登記内容を確認すると、実際の売り主と所有者が違っていたり、登記内容が異なる場合があります。取得後には、速やかに登記することが大切ですが、不動産の契約前にあらかじめその物件について登記事項証明書等を取得して、実際の面積や所有者、抵当権・差し押さえの有無を確認しておくと良いでしょう。

 

<事前に用意しよう!不動産登記の必要書類>
不動産の登記を行うときには、さまざまな書類が必要になります。登記を司法書士や土地家屋調査士などに任せる場合でも、書類は自分で用意しなければなりません。直前に慌てないためにも、必要な書類は事前に準備しておきましょう。

●注文住宅など新築の場合
・申請書
・住民票の写し
(※世帯全員・全部記載のもの、事前に新住所へ住所変更しておく事をお勧めします。)

新築の場合は、建物の内容を明確にする「建物表示登記」が必要です。まずは、法務局のWebサイトか窓口で申請書を取得します。この申請書には、住所や氏名など基本的な内容を記載するだけです。司法書士などに手続きを委託する場合は、委任状への署名・捺印が求められます。そのほか、建築確認通知書、検査済証、工事完了引渡証明書、建物の図面・各階平面図や、建設に当たった会社(住宅メーカーや工務店など)の印鑑証明書、代表者の資格証明書などを提出します。
実際には、申請書に記入したら住民票の写しと一緒に住宅メーカーなどの担当者か司法書士に提出して、手続きを任せることになるでしょう。

●売買などによる所有権移転登記の場合
・申請書
・住民票の写し
・本人確認書類の写し
(※世帯全員・全部記載のもの、事前に新住所へ住所変更しておく事をお勧めします。)

登記の申請書や住民票の写し、委任状など基本的な必要書類は建物表示登記と同じですが、そのほかに、買主の本人確認のための書類として運転免許証などの顔写真がついた証明書の写しが必要です。マイナンバーの顔写真付きカードを取得していれば、それでも可能です。さらに、住宅ローンを利用する場合で抵当権設定が必要なときは、本人の印鑑証明書を用意しましょう。

 

<不動産を手に入れたら、すぐに登記!>
不動産の購入は大きな買い物であり、取得後には大切な資産になります。しかし、不動産登記の手続きを怠っていると、悪意の第三者に権利を主張され、苦労して手に入れたはずのマイホームが自分のものではなくなってしまう可能性もあります。また登記をしない場合、10万円以下の過料を処せられることがあります。そうならないためにも、不動産契約を結ぶときには事前に必要な書類を用意し、正式契約と同時に速やかに登記を行えるように準備しておきましょう。