
家をバリアフリーにしたい!補助金ってどれくらいもらえるの?
みなさんの中には、ご高齢の方が住みやすい家を目指して、自宅のバリアフリー化を検討している人がいらっしゃると思います。バリアフリーリフォームをする際、絶対に知っておくべき制度があります。それは国や自治体の補助金です。少しでもお得にリフォームをしたいですよね。しかし、バリアフリーリフォームは、すべての工事が補助金の対象になるわけではありません。では、補助金の対象になるのは、具体的にどんな工事なのでしょうか?今回は、補助金の基本知識をわかりやすく解説します。
<補助金っていくら支給されるの?>
バリアフリーや省エネ、耐震性能の向上など、一言でリフォームと言ってもさまざまな補助金制度が設けられています。しかし、補助金というと、手続きなどが難しいのではないかと思う人もいるでしょう。確かに、補助金制度は国や都道府県、市町村単位で定められていて、しかも年度ごとに見直されているため、わかりにくい面もあります。最近は、自治体ごとの補助金・助成金情報が検索できるポータルサイトがいくつかあるのでせっかくの制度を有効活用するためにも、まずは大まかな枠組みから理解することが大切です。
●国からもらう!介護保険制度
介護保険制度とは、介護が必要な人を社会全体で支えるための仕組みです。介護が必要な人、またはそれを支える人の住まいにバリアフリーが必要となった際、工事費用が介護保険によって支援されます。この「高齢者住宅改修費用助成制度」の対象になるのは、「要支援」または「要介護1~5」の認定を受けている方です。工事費用最高20万円を限度に、費用の9割まで(支給額18万円)を支給してもらえます。適用条件は、「要支援・要介護と認定されていること」「リフォームを実施する住宅が、被保険者証の住所と一致していること」「本人が実際に居住していること」が挙げられます。
●自治体からもらう!助成金制度
国の介護保険制度とは異なり、要介護認定を受けていない方でも対象となる可能性があるのが、各自治体の助成金制度です。介護保険では対象外とされてしまう工事にも適用されることがあります。「バリアフリー化支援金」や「高齢者住宅整備金」など、それぞれの自治体ごとに異なる名称で制度が運用されています。詳細はお住まいの自治体へお問い合わせください。
<減税制度も利用可能>
平成21年度から新たに導入されたのが、バリアフリー工事をした際に所得税の還付を受けることができる減免制度です。住宅ローンの場合、確定申告をすることで、工事費用の年末ローン残高の2%、または1%の所得税額が5年間控除されます。そのため、最大で62万5000円のバリアフリー減税を受けることができます。固定資産税においては、お住まいの市町村に申告をすることで、翌年度の家屋にかかる固定資産税額の3分の1が減額されます。
しかし、注意をしなければならないのが適用条件です。築年数や住宅ローンによって要件が異なります。申請期限が工事完了から3カ月以内とされている場合もあるので、工事前に確認しておきましょう。
<どんなリフォームが対象になる?>
バリアフリー工事であれば、すべての工事が助成金の対象となるわけではありません。そのため、どんなリフォームであれば助成金の対象になるのかを正しく理解しておくことが必要です。該当すれば、工事費用の最大9割という大きな額が支給されることがあるため、しっかりと内容を把握しておきましょう。
●車いすのために通路や出入り口を拡張する
車いすでも無理のない通行ができるように、廊下や通路、出入り口の拡張をする工事です。また、車いす使用者には使いにくい開き戸を引戸、折り戸、またはアコーディオンカーテンなどに取り換えたり、軽い力で操作できるレバーハンドルの取手に交換するといった、移動や移乗動作(ベッドから車いすの間などを乗り移る動作)に関連する工事も含まれます。
●介護しやすいように浴室の床面積を増やす
日常生活における介助が必要な場合、浴室やトイレには余裕を持った広さが必要になります。そのため介助スペースを設けるための床面積の増加工事も該当します。他にも、浴槽への出入りを容易にするために、浴槽を低いものに取り換えたり、固定式の移乗台や踏み台を設置する工事も含まれます。
●トイレを洋式便器にする
和式便器を洋式便器に取り換える工事です。古い洋式便器を新しい洋式便器に取り換える工事は対象になりません。しかし、もともとが和式便器であれば、暖房便座・洗浄などの機能が付加されている洋式便器の取り付けは対象になります。
●転倒防止のために床の材料を取り換える
玄関や居室、浴室、トイレ、脱衣所、これらを結ぶ経路の床材を滑りにくいものに取り換える工事です。滑りやすい床や車いすでの走行が困難な畳床を、フローリングや固い素材へ取り換えます。居室では板製床材、ビニル系床材などへの変更が多く見られます。
●廊下、トイレ、浴室などの段差を解消する
敷居を低くしたり、つまずきやすい引き戸のレールの解消、玄関や浴室にある段差をスロープにするなどの工事です。居室や廊下、トイレや各居室間の段差解消、浴室の床のかさ上げなども含まれます。しかし、昇降機やリフトなどの動力を使用する機器の設置工事は対象外になっています。
<制度を正しく理解して、有効活用を>
バリアフリーリフォームは、国、または自治体の支援や補助を受けることで、とてもお得に施工することができます。超高齢化社会の進展に伴い、バリアフリーリフォームを行う家庭はこれからも増えるでしょう。利用手続きの申請は一見難しそうに思えるかもしれませんが、補助金が交付されるため利用しない手はありません。制度を正しく理解して、ぜひ有効活用しましょう。