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頭金ってどれくらい?家を購入する前に知っておきたいこと

マイホームを購入するにあたり、住宅ローンを組むためには頭金はいくら用意すればいいのでしょうか。また、頭金の金額によって何が変わってくるのでしょうか。将来に備えて、借入金は少なくしておきたいところですが、頭金を貯めるのに何年もマイホーム購入を待ってはいられません。しかし、全額を住宅ローンでまかなうには不安を感じる方もいるでしょう。

そこで、今回は住宅を購入する際に必要な頭金についてご紹介します。

1.住宅ローンの頭金とは?
頭金とは、マイホームを購入する時の住宅ローンを組む際に、先に支払える資金のことを指します。その時の貯蓄総額ではなく、マイホーム資金に充てられる現金のことです。

では、大体いくら必要になるのか?
頭金は一般的に「購入物件価格の2割以上」と言われていました。つまり、4,000万円の物件であれば800万円以上の頭金を準備する必要があります。

どうして2割という基準が発生してくるのでしょうか?
それは融資の問題と密接に関係しています。以前は住宅金融公庫などで住宅ローンを利用する際に、借入可能枠が物件価格の8割までという決まりがありました。
そこで自己資金は2割以上なければ、住宅ローン自体が組むことができないという状況にあったのです。
しかし現在では住宅金融公庫の制度は廃止となっており、民間の金融機関では8割以上、もしくは10割の満額の融資を行ってくれる場合もあります。

2.「頭金0円」って大丈夫なの?
物件総額において2割以上の頭金が必ずしも必要とされなくなった昨今では、頭金0円でもマイホームは購入できます。もちろんその分注意しなければならない点もありますので、しっかり確認しましょう。

頭金とは、購入者を苦しめるためのものではありません。借入額を減らすことができる手段です。
例えば、土地1,000万円、建物2,000万円、諸経費400万円の計3,400万円のマイホームを購入する場合で総支払額を計算します。
下記はどれも、一般的な支払計画である、「金利1.75%が変わらず、35年の返済期間」というローンを仮定しています。

●月々の返済額は?
・頭金0円の場合「約11万円」
・頭金500万円の場合「約9万円」
・頭金1,000万円の場合「約8万円」
借入金が膨らむ分、月々の負担額は約3万円の差額が発生します。

●利息が膨らんでしまう!
総返済額は、
・頭金0円の場合「約4,500万円」
・頭金500万円の場合「約3,900万円」
・頭金1000万円の場合「約3,200万円」
最大1,300万円もの差額が発生します。

頭金0円でもマイホームは購入できるものの、「月々の負担」と「長期間に渡る負担」が大きくなり過ぎるため、返済を滞らせる原因になってしまいます。

3.頭金の割合で金利が優遇される?
金融機関によっては、頭金の割合に応じて金利を優遇してくれます。
先程と同様に、物件総額3,400万円、金利を1.75%で固定し、35年の返済期間と仮定します。

●頭金割合0%
頭金「0円」、借入金額「3,400万円」の場合
毎月に必要な返済額は「約11万円」、返済総額は「約4,500万円」となります。
利子を含めた総支払額は「約4,500万円」です。

同様に計算すると、
●頭金割合10%
頭金「340万円」、借入金額「3,060万円」の場合
毎月返済額「約10万円」、返済総額「約4,100万円」、総支払額「約4,440万円」
●頭金割合20%
頭金「680万円」、借入金額「2,720万円」、毎月返済額「約9万円」
返済総額「約3,600万円」、総支払額「約4,280万円」
●頭金割合30%
頭金「1,020万円」、借入金額「2,380万円」、毎月返済額「約8万円」
返済総額「約3,200万円」、総支払額「約4,220万円」

頭金の割合によって結果的に支払う金額は、金利の差によって約200万円の差が発生します。さらに金融機関によっては、頭金を多く支払える契約者には、貸し倒れのリスクが少なくなるため更なる金利優遇を行ってくれることもあり、総支払額をさらに減額させることが可能になります。

このような金利をうまく活用し、資金の運用を行う人もいます。
最低限の頭金しか支払わず、残りの資産を運用に回すひともいます。住宅ローンの適用金利よりも、利回りの良い投資を行うことによって、得ができるという計算です。

4.毎月の返済と相談
最近では頭金がなくても、マイホームを購入することが可能です。
しかし、一番大切なことは「家が購入できるのか」ではなく「毎月の返済が可能」なのかという点です。勢いで購入するのではなくライフプランを作成し、支払いができるという確証を得て購入を決断することが大切です。