家賃はクレジットカードで!カード払い対応物件のメリットと注意点
毎日の買い物やレジャー、公共料金の支払いに何かと便利なクレジットカード。それでも、家賃までクレジットカードで支払っているという人は少ないのではないでしょうか?しかし、近年クレジットカードで家賃を支払える物件が増加しています。今回は、家賃のクレジットカード払いについて、メリットや注意点などをまとめてご紹介します。
<不動産業界でクレジットカード払いが少ない理由>
家賃のクレジットカード払いが可能な物件は、少数ですがまったくないわけではありません。なぜ、これまでクレジットカード払いできる物件は少なかったのでしょうか。
●貸し手側に手数料が発生する
クレジットカードで家賃の支払いができるようにするには、貸し手側(家主や不動産会社など)とカード会社の間で、契約を結ぶ必要があります。その際に、顧客の利用額に応じて「加盟店手数料」と呼ばれる手数料をカード会社に支払うことが義務付けられています。
実際に、家賃の支払いをクレジットカードでできるようにした場合、貸し手側はいくら支払うことになるのでしょうか?例えば、月々の家賃が10万円、加盟店手数料が8%だと仮定します。
家賃10万円×加盟店手数料8%=8,000円
カード会社に支払う加盟店手数料は8,000円で、貸し手側の手元に入る金額は10万円-8,000円=9万2,000円となります。クレジットカードを使わなければ、手数料が引かれないため、10万円がそのまま貸し手の手元に入ることになりますが、クレジットカードを使うと9万2,000円に減ってしまいます。
家賃の場合、物件によっては1回の支払額が数十万円単位になることがあり、なおかつ未払いが発生するリスクも高いことから、不動産の加盟店手数料は、ほかの業種に比べて高めに設定されています。また、賃貸物件の貸し手側は、個人の家主や地元の小さな不動産会社というケースが多く、高い手数料を引かれることでの収入減は、痛手になります。そのため、カード会社と契約を結んでまでクレジットカード払いを導入するメリットが、貸し手側にはあまりないのです。
●手数料分を家賃に含めているケースもある
「加盟店手数料は、家賃を支払う借り手側に負担してもらえば良いのでは?」と考える人も多いかと思いますが、それは規約違反とされています。加盟店手数料は、原則としてカード会社と契約を結んだ相手が支払うことになっています。
そのため、家賃のクレジットカード払いが可能な物件の中には、あらかじめ加盟店手数料分を上乗せして家賃を設定しているケースも少なくありません。いくらクレジットカード払いができることを売りの1つにしたとしても、手数料が家賃に上乗せされてしまう以上、「不利」と考える貸し手もいます。なぜなら、手数料を上乗せすることで、周囲の競合他社が提供する同等の物件と比較したときに、家賃が高くなってしまうからです。
<家賃をクレジットカード決済するメリット>
家賃のクレジットカード払いは、貸し手側のメリットはあまりなくても、借り手側にはいろいろなメリットがあります。
●メリット1:クレジットカードのポイントが貯まる
家賃の支払いは毎月行われ、しかもある程度高額です。その金額をクレジットカードで支払えれば、その分の利用ポイントを貯めることができます。ポイント加算は、クレジットカード払いの魅力の1つ。支払って得られるポイントは、銀行振り込みや自動引き落としにはないメリットです。
●メリット2:毎月の振り込みの手間がなくなる
クレジットカード払いにすれば、毎月の振り込み手続きに行く手間がなくなります。忙しくて振り込みに行く時間が取れないという心配もなく、うっかり振り込みを忘れてしまうこともありません。
●メリット3:入居時費用を一括で用意しなくても良い
入居の契約をする際には、敷金・礼金・仲介手数料などの「入居時費用」を支払わなければなりません。そのため、まとまった金額が必要となりますが、クレジットカード払いで支払うことができれば、手元に現金がなくても契約することができます。一括払いのほか、分割払いでの対応が可能なこともあるので、金額が大きい分、嬉しいサービスといえるでしょう。
<要確認!クレジットカード払いの注意点>
クレジットカード対応物件を検討する際、注意すべき点をお伝えします。契約時に「そうだったの!?」とならないよう、事前に確認ポイントを知っておきましょう。
●使えるカード会社を確認
クレジットカード払いには対応しているものの、使えるカード会社が限定されているケースがあります。手持ちのクレジットカードが対象であれば良いですが、そうでない場合は、家賃支払いのために新しいクレジットカードを作らなければなりません。クレジットカードで家賃の支払いを検討している場合は、提携しているカード会社がどこであるかを確認しましょう。
●クレジットカードで支払える対象範囲
クレジットカード対応物件でも、いざ契約してみると、クレジットカード払いができるのは入居時費用のみで、月々の家賃には使えないという場合もあります。どこまでクレジットカードで対応できるのかを、必ず確認しましょう。
●ポイント対象かどうかを確認
カード会社によっては、家賃を利用ポイントの対象としていない場合があります。ポイント獲得を想定して家賃のクレジットカード払いを考えている際は、ポイントがつく対象範囲のチェックも必ず行ってください。
<家賃をクレジットカードで払って、ポイントを貯めよう!>
家賃のクレジットカード払いは、借り手側にさまざまなメリットをもたらしますが、注意すべき点もあります。クレジットカード払いができる良い物件が見つかったら、使えるカード会社の種類やポイント獲得の有無などの条件をしっかり確認した上で契約しましょう。
家賃をクレジットカードで払い続ければ、年間でかなりのポイントが貯まるはずです。有効に活用して、お得な生活を楽しみましょう。