「宅地分譲」という言葉を聞いたことがあるでしょうか？住宅を建てる目的で整地された土地を、販売する形式です。ハウスメーカーが自治体と協力する形で手がける大規模な開発になると、宅地に合わせて商業施設や教育施設などの生活利便施設がつくられたり、交通機関が整備されて、ひとつの新しい町が出来上がることもあります。多くの人が一斉に入居するため、新たな人間関係も生まれます。今回は宅地分譲の特徴やメリット、選び方のコツについて解説します。

■そもそも宅地分譲とは何？
宅地分譲は、新たな宅地をつくり販売する形式です。大規模分譲の場合、工場などの大きな施設が移転した跡地や、街中から離れた場所につくられることがあります。山を切り開いてつくられるケースもありますので、駅から遠く離れていることが少なくありません。そのため、宅地の開発とともに学校やスーパーがつくられたり、駅までのバス路線が開通したりと、利便性の向上が図られます。

住宅と土地がセットで販売される形態も数多くあります。以前は似たような家が立ち並ぶ宅地分譲が多かったのですが、最近では外装や内装に差が付けてあり、好みに応じて選択できる物件が増えています。

■どういう人が購入しているの？
宅地分譲には多くのメリットがあります。どのようなメリットがあるのか、ご紹介します。

●手軽に土地探しができる
一から土地を探すとなると、いろんな場所に足を運ばなくてはなりません。大規模の宅地分譲なら一カ所にたくさんの宅地が用意されているため、見て回る労力が少なくて済みます。参考プランがセットになっている宅地であれば施工メーカー探しも必要ありません。注文住宅と比べて自分の意見が反映できないと思われがちですが、間取りや外観などにそれほどこだわりがない人にとっては手軽に購入できる点がメリットです。

●商業施設や交通機関
大規模な開発地には商業施設や交通機関が整備されます。生活に必要な施設が一定規模の範囲内につくられることから、ご年配やお子さまがいるご家庭でも安心です。公共交通機関がないエリアでも、普段から車移動をしている人ならそれほど困りません。都市部と比べて余裕のある広さの土地になっているため、ゆったりした駐車スペースを取ることができます。

●ご近所付き合い
大規模の宅地分譲には新しい入居者が一斉にやってきます。すでに人間関係が出来上がっている土地と比べ、溶け込みやすいでしょう。今までのご近所付き合いを一新して、新しい生活を始めたい人にはぴったりです。

■確認すべきポイント・選び方のコツ
宅地分譲を選ぶ際に確認すべきポイントについてご紹介します。

●形状と方角
形状と方角を気にする方は多いでしょう。きれいな四角形で、南または南東向きの土地が人気ですが、そのような土地はなかなか見つかりません。見つかったとしても、他の土地と比べて割高になっていることが一般的です。自分の中でどこまで条件の許容ができるかを考えて、ベストな選択をしましょう。

●立地
地盤や水はけは可能な限り確認しておきましょう。地盤が弱く、水はけの悪い土地では地震や豪雨の際に被害を受けやすくなります。また、過去の地震や豪雨の際の被害状況は必ずチェックしておくことをオススメします。そのほか、崖の下や大きな川の近くは災害時の危険性が高くなることも頭に入れておきましょう。

●周辺環境
商業施設や公共施設など、日常生活に困らない環境であるか確認しましょう。駅の近くに建てられることが多い分譲マンションと比べると、宅地分譲は郊外になりがちです。その半面、ごみごみした街中と比べ、ゆったりできるという見方もできます。どちらを好むかは人それぞれです。

●自治体の奨励金
自治体によっては住宅取得に奨励金を出しているところがあります。金額や条件は自治体によって違いますが、家を建てて入居するだけで数百万円もらえる自治体もあります。「気づいたら奨励金の申請期限が過ぎていた」ということがないよう、チェックをお忘れなく。

■宅地分譲に住む！

宅地分譲には数区画の小規模なものから、100区画を超える大規模なものまで様々なタイプがあります。同じ分譲エリアに限っても、種類はいろいろです。各家庭のライフスタイルと照らし合わせながら、住みやすい土地を選んでください。新生活がうまくいくことをお祈りしております！  

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